に投稿 コメントを残す

神聖な常緑樹「榊」を知る

神棚に欠かせない、その意味と由来、お供えの作法

神棚にお供えする「榊(さかき)」は、日本の神道において非常に重要な役割を持つ神聖な植物です。古来より大切にされてきた榊には、どのような意味や由来、歴史があるのでしょうか。また、日々の暮らしの中で榊をどのように扱い、神様への感謝の気持ちを伝えるのか。その周辺知識をまとめてご紹介します。

1. 榊の意味と由来、歴史

「榊」という字は、「木」へんに「神」と書く通り、神様にまつわる神聖な木として古くから日本で大切にされてきました。この漢字は、中国から伝来したものではなく、日本で生まれた「国字」(和製漢字)であることからも、日本人が独自に榊を信仰の対象としてきた歴史がうかがえます。

【語源と意味】 「サカキ」の語源には諸説ありますが、代表的なものは以下の通りです。

  1. 「境目の木(さかいき)」説: 神様の領域(神域)と人間の領域の「境目」に存在する木という意味。榊は、神様が降り立つ依り代(よりしろ)としての役割もあると考えられています。

  2. 「栄える木(さかえき)」説: 常に葉が生い茂る常緑樹であることから、「栄える木」「繁る木」という意味が込められているという説。一年中青々とした姿は、永遠の生命力や神の威厳を象徴しています。

  3. 「賢木(さかき)」説: 神聖な木、特に神事に使用される木を指す「賢木」が転じたとする説。

古来、日本人は常に葉を茂らせる常緑樹に特別な信仰を持っていました。『日本書紀』にも、神様のお祭りで賢木(さかき)の枝に鏡や剣、玉をつけた記述が見られるなど、榊は昔から神事には欠かせない植物でした。神道において榊は、「神饌(しんせん・みけ)」と呼ばれる神様へ献上するお供えの品々と同等の扱いをされています。神聖な榊をお供えすることで、神への畏敬と日々の感謝の念を表すのです。

2. 神棚へのお供えの方法と交換のタイミング

榊は、神棚にお供えすることで神域を清め、神様への感謝の気持ちを伝える役割を担います。

【お供えの方法】

  • 一対(いっつい)で置く: 榊は神棚の両側の端に、一対(2本)で飾るのが基本です。
  • 葉の向き: 葉の表側(濃い緑色で艶のある方)が神棚の正面を向くように飾ります。
  • 配置: 中央にお神酒やお塩、お米、お水といった他のお供え物がある場合、その外側に榊を置きます。
  • 専用の器: 榊立て(さかき立て)と呼ばれる専用の花器に水を入れて飾ります。

【交換のタイミング】 榊は、なるべく新鮮な状態でお供えすることが大切です。

  • 基本の交換日: 伝統的に毎月1日と15日に新しい榊に交換すると良いとされています。
  • 早めの交換: 特に夏場などは水が濁ったり、榊が枯れたり弱ってきたりするスピードが速いため、日にちにこだわらず、枯れる前に早めに交換することが重要です。

榊の定期便をご利用ください

神棚に常に新鮮な榊をお供えすることは、神様への敬意と感謝を示す大切な作法です。枯れる前に交換することが望ましいですが、日々の生活の中で1日と15日に新しい榊を用意するのは手間がかかることもあります。

そこで、新鮮な生榊を定期的にお届けするサービスをご用意いたしました。

▼毎月「14日」と「月末」にお届けする国産本榊の定期購入はこちら
定期購入/月2回お届け〔国産本榊〕

▼毎月「月末」にお届けする国産本榊の定期購入はこちら
定期購入/月1回お届け〔国産本榊〕

毎日青々とした榊をお供えし、気持ちよく神様をお祀りしましょう。

に投稿 コメントを残す

日本の神棚に、本物の榊を —— 国産榊の定期便

いま、日本の榊の9割が中国産です

神棚にお供えする「榊(さかき)」は、古くから日本人の祈りと感謝の象徴として大切にされてきました。
しかし、現在日本国内で流通している榊のうち、実に9割以上が中国産であることをご存じでしょうか。

日本の山林の荒廃や生産者の減少により、国産の榊は年々少なくなり、
純国産の榊は市場ではほとんど見かけなくなってしまいました。

国産榊の復活を支える、日本えだもの株式会社さんの取り組み

私たちが取り扱う榊は、日本えだもの株式会社さんが育てる国産榊です。

日本えだもの株式会社さんは、次の3つのミッションを掲げて活動されています。

  1. 放置山林と耕作放棄地の再生による地球環境の再生
  2. 持続発展する里山づくりによる、地方各地の活性化
  3. 高品質な日本産えだものの生産量増加

これらの取り組みを通じて、日本の山や地域社会を元気にしながら、
高品質な「国産榊」を安定的に生産・供給されています。

その品質は高く評価され、宮内庁や靖国神社にも奉納されているほど。
まさに“日本を代表する榊”といえる逸品です。

神棚に、いつも新鮮な榊を —— 国産榊の定期便

「せっかくの神棚に、できるだけ新鮮な榊をお供えしたい」
そんな声にお応えして、私たちは国産榊の定期便サービスをはじめました。

日本えだもの株式会社さんが丁寧に育てた榊を、新鮮なうちに発送。

神棚に生き生きとした緑が絶えないよう、
月1回または月2回のペースで定期的にお届けします。
お手入れの手間も少なく、いつでも清々しい気持ちでお参りいただけます。

国産榊を選ぶということは、「祈り」と「森」を守るということ

国産榊を選ぶことは、単に品質の高い榊を選ぶことではありません。
それは、日本の山を再生し、地域を支え、祈りの文化を未来につなぐ選択です。

榊の生産が続くことで、放置山林が手入れされ、
森がよみがえり、地域に新たな仕事や希望が生まれます。

あなたの神棚の榊が、そんな循環の一端を担う——
それが、この定期便の本当の価値です。

最後に —— 日本の心を、あなたの神棚に

榊は、日々の感謝と祈りを映す“心の緑”です。
どうかその榊が、日本の大地で育った本物の榊でありますように。

国産榊の定期便で、あなたの祈りに本物の息吹を。
私たちは、真心を込めてお届けします。

🌿 国産榊 定期便のご案内

  • 内容:国産本榊(2本セット)
  • 生産者:日本えだもの株式会社
  • 奉納実績:宮内庁・靖国神社ほか
  • 配送:月1回または月2回コース

👉 [榊定期便のお申し込みはこちら]

Ricflower リックフラワー

に投稿 コメントを残す

食べません!雅に愛でる「秋の七草」

「七草」と聞くと、お正月明けの無病息災を願う「春の七草」、七草粥を思い浮かべる方が大半ではないでしょうか?

実は、この日本には、春とは趣の異なる「秋の七草」という文化がございます。春の七草が「食」で邪気を払う実用的なものだとすれば、秋の七草は、その「美しさ」を鑑賞し、深まる季節の風情を楽しむという、なんとも雅な文化なのです。

今回は、秋の野を彩る七つの草花と、その背景にある歴史を、皆様にご紹介させていただきます。

 

🔎 万葉集に由来する「七種(ななくさ)」

この秋の七草の文化は、春の七草のように特定の行事のために定められたものではなく、奈良時代の歌人、山上憶良(やまのうえのおくら)が『万葉集』に詠んだ二首の歌がそのルーツとされています。

一首目(七種類の花があることを述べています)

秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり)かき数ふれば 七種(ななくさ)の花

「秋の野に咲いている花を、指折り数えてみたら七種類あったよ!」

二首目(その七種の名前を列挙しています)

萩(はぎ)の花 尾花(をばな) 葛花(くずばな) 撫子(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし) また藤袴(ふぢはかま) 朝皃(あさがほ)の花

「それは、ハギオバナクズナデシコオミナエシフジバカマとアサガオ(キキョウ)だよ!」

昔の人々は、この花々が咲き乱れる野原を「花野(はなの)」と呼び、散策しながら歌を詠み、季節の移ろいを慈しみました。食べるという目的はなく、ただひたすらその美しさに心を寄せたという点に、日本文化の奥ゆかしさを感じずにはいられませんね。

 

🌸 個性豊かな七つの草花をご紹介

山上憶良によって選ばれた、秋の野のスターたちをご紹介いたします。

1.萩(ハギ)は、「草かんむり」に「秋」と書く、まさに秋を象徴する花です。赤紫の小さな花が可憐で、秋のお彼岸にお供えするおはぎの名前の由来とも言われています。

2.ススキは、別名尾花(おばな)と呼ばれます。穂の姿が動物の尾に似ていることからそう名付けられました。お月見には欠かせない存在で、風に揺れる姿は、秋の情緒そのものですね。

3.葛(クズ)。根から取れる葛粉は、葛湯や葛餅でお馴染みですが、根を乾燥させたものは漢方薬の葛根湯にも使われる、実は非常にパワフルな植物なのです。

4.女性的な美しさを持つのが、撫子(ナデシコ)です。撫子は、その可憐で愛らしい姿から「大和撫子」の語源となり、『枕草子』でも清少納言に絶賛されました。

5.一方、女郎花(オミナエシ)も女性的な美しさを誇る花です。黄金色の小さな花を咲かせ、その美しさが美女を圧倒するほど、という説から名付けられた、優雅で気品のある花です。

6.香りと形がユニークなのが藤袴(フジバカマ)です。紫を帯びた花が、文字通り「袴」のような形をしています。乾燥させると、なんと桜餅のような芳しい香りを放つのが特徴ですが、残念ながら現在は野生のものが絶滅危惧種となっています。

 

7.最後に、桔梗(キキョウ)です。山上憶良の歌に詠まれた「アサガオ」は、この桔梗を指すという説が有力です。五角形の整った花は、明智光秀公など、多くの武将の家紋にも採用された、歴史深い花でございます。

💡 粋な計らい!覚え方の極意

「七つもあると、なかなか覚えきれませんね」と、ご心配の皆様。ご安心ください。現代にも伝わる、最強の語呂合わせがございます。

それは、花々の頭文字を繋げた、こちらのフレーズです。

「おすきなふくは?」

頭文字七草
オミナエシ(女郎花)
ススキ(尾花)
キキョウ(桔梗)
ナデシコ(撫子)
フジバカマ(藤袴)
クズ(葛)
ハギ(萩)

「お好きな服は、ございますか?」と問われているかのような、なんとも親しみやすい語呂合わせですね。これを頭の片隅に置いておかれますと、道端や庭先でふと見かけた際、「ああ、これは七草の一つだったな」と思い出されることと存じます。

皆様も今年の秋は、この「おすきなふくは?」を合言葉に、七草を探されてみてはいかがでしょうか。山上憶良が見た、約1300年前の秋の野に思いを馳せるのも、また一興かと存じます。

まとめ:この秋、「おすきなふくは?」

春が「食」の実用文化なら、秋は「鑑賞」の風雅な文化。山上憶良の歌に心を寄せながら、七草を探すひとときは、現代の私たちにも「心のゆとり」を与えてくれます。

しかし、野生のものが減っている現在、手軽に秋の彩りを楽しみたい、大切な方へ贈りたいとお考えでしたら、プロの手によるブーケはいかがでしょうか。

▶ リックフラワーの季節のブーケはこちら